土壌酸度(pH)は植物の生育に大きな影響を与えます。
多くの植物がpH5.5~6.5の弱酸性の土壌を好んでいるため
この範囲に土壌酸度を調整することが必要になります。
ちなみに、酸性土壌(pH5以下)とアルカリ性土壌(pH7以上)だと
植物の生育にどのような悪影響が出るかと言うと…
・酸性土壌…アルミニウムが溶け出し根に悪影響を及ぼす
・アルカリ性土壌…微量要素が溶け出さずに欠乏する
酸性、アルカリ性のどちらに傾き過ぎても
植物にとっては良くありませんね。
日本では雨が多いこともありカルシウムなど土壌のミネラル分が流亡しやすく
それに伴い土壌酸度は酸性に傾きやすいと言われています。
よって、土壌酸度の調整では消石灰や苦土石灰など
アルカリ性の資材を投入するのが一般的です。
しかし、石灰の投入は量の加減が難しかったり
投入時期にも気を遣う必要があります。
そこで、石灰の代わりに良質な粘土鉱物を投入するのも良いのでは?と思ったわけです。
粘土鉱物投入でpH調整と同時に保肥力もUP!
ゼオライトや珪酸塩白土などの良質な粘土鉱物は
石灰と同じようにカルシウムなどのミネラルを含んでいます。
ちなみに、カルシウムだけでなくマグネシウムにもカリウムにも
pHを調整(アルカリ性に傾ける)効果はあります。
それと同時に保肥力を向上させることができるので、まさに
一石二鳥
ですよね?
しかも、保肥力が高まるということは土壌の緩衝能が高まるということなので、
pHの変動が緩やかになります。
粘土鉱物はミネラルバランスが良い!
少し前の記事にも書きましたが、
良質な粘土鉱物はミネラルバランスが良いので
各ミネラル間の過剰や欠乏が起こりづらいのもメリットです。
消石灰などはすぐに酸度調整の効果があらわれるのですが、
マグネシウムやカリウムなどと拮抗作用があるため
投入し過ぎるとバランスを崩します。
粘土鉱物は高価ですが、よほど大量に投入しない限り
植物に対しての害は考えづらいので
その点では安心して使える資材ですよ。
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