バーミキュライト( Vermiculite )は、
原石である蛭石を高温で焼成することで膨張させて作られた
人工の土壌改良用土です。
蛭石を約800℃の高温で焼成するとアコーディオン状に膨張し
非常に軽量(かさ比重0.1)で、多孔質な土壌改良資材となります。
では、バーミキュライトは土壌改良の面でどのような効果があるのでしょうか?
バーミキュライトの物理性改善効果
バーミキュライトは土壌の物理性に対してどのような効果があるのでしょうか?
通気性、水はけ、保水性にどのような影響があるのかをまとめてみました。
通気性・水はけに効果は?
バーミキュライトは多孔質構造のため、その微細なすき間に水や空気を含みます。
通気性・水はけにもある程度の改善効果は見込めますが、
どちらかと言うと保水性を向上させる効果が強いので
多く混和させ過ぎると逆に通気性・水はけの悪化を招く可能性があります。
保水性の向上に効果は?
バーミキュライトは吸水性に優れているため、
土壌の保水性向上には非常に効果的です。
砂地土壌の物理性を改善したいのであれば、
ぜひ投入したい資材の一つですね。
バーミキュライトの科学性改善効果
バーミキュライトは土壌の科学性に対してどのような効果があるのでしょうか?
土壌pH(土壌酸度)、保肥力にどのような影響があるのかをまとめてみました。
バーミキュライトのpHは?
バーミキュライトのpHは7前後(ほぼ中性)です。
土壌の塩基交換容量(CEC)を大きく向上させるため、
酸性土壌を弱酸性~中性に近づけることができます。
保肥力向上に効果は?
バーミキュライトの保肥力を示す数値であるCECは100~150meq/100gです。
これは一般的な土壌のCECが12meq/100gであることから
保肥力の向上にとても効果的であることが分かります。
土壌に10%程度混ぜ込むことで
土壌の保肥力を大きく向上させることができる資材です。
バーミキュライトの生物性改善効果
バーミキュライトは層状の多孔質体のため、
そこが土壌微生物の恰好の棲家になります。
バーミキュライトの土壌改良効果まとめ
バーミキュライトの物理性改善効果は通気性△、保水性は◎。
一方で科学性の改善効果は高く、pH調整や
保肥力の改善にはとても効果的な土壌改良資材。
バーミキュライトは軽量で多孔質、保水性・保肥力を高める効果が高く、
焼成処理されているので無菌で清潔であることから
園芸分野ではハンギングバスケット用土や挿し木用土などに使われています。
土壌改良に用いる場合にはややコストパフォーマンスは悪いかもしれませんが、
砂質土壌の改良(保水性・保肥力の向上)にはとても効果が高い資材です。
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