根腐れはなぜ起こる?~根腐れの仕組みと原因、症状と見分け方、治療・対処方法は?~

根腐れはなぜ起こる?根腐れの仕組みと原因、見分け方、治療・対処方法は?~

根腐れはなぜ起こる?根腐れの仕組みと原因、見分け方、治療・対処方法は?~

根腐れは植物を枯らせてしまう大きな原因の一つです。

根腐れとは、まさに根が腐り本来の機能を失うことです。
根が腐ることで植物は水や肥料成分を吸い上げることができなくなるので、
症状が悪化すると枯死してしまいます。

では、なぜ根腐れは起こるのでしょうか?

根腐れの仕組みと原因を見ていきましょう。

根腐れの仕組みと原因

根腐れは水のやり過ぎが原因では無い!

根腐れの原因を水やりのし過ぎと結びつける情報がありますが、これは誤りです。
本当に水やりのし過ぎが原因で根腐れするのであれば
常に水に浸かっている水耕栽培は成り立たなくなりますよね。

根腐れのきっかけとなるのは、用土内の酸素不足!

土の中の酸素が不足すると根の細胞が呼吸できなくなります。
(ちなみに根は水に溶けている溶存酸素と土中のすき間にある酸素を呼吸に利用しています)

根の細胞が呼吸できなくなると細胞そのものを維持できなくなり、壊死します。
そして壊死した細胞をエサにして嫌気性微生物が増殖し、根を腐らせていきます。

根腐れの仕組みを簡単にまとめると↓

土中の酸素不足が原因で

↓↓↓

根が呼吸できずに細胞が壊死

↓↓↓

壊死した細胞をエサに嫌気性微生物が増殖

↓↓↓

根腐れが進行

こんな感じです。

つまり、根腐れの原因は用土内の酸素不足です。

少し前に水耕栽培について触れましたが、
なぜ植物は水に浸かりっぱなしでも根腐れをしないのか?
その理由は、水耕栽培では溶液にエアーポンプなどで
絶えず酸素を供給しているからです。
溶液内に溶け込んだ酸素を植物の根は呼吸に利用しているので
根腐れを起こすことが無い、という訳です。

根腐れの症状と見分け方

「なんとなく植物の調子が悪いのだけど、根腐れかどうかが分からない…」

そんな方のために、根腐れの症状と水枯れや根焼けとの見分け方をまとめてます。

根腐れの症状

根腐れの具体的な症状を挙げてみると↓

・土が湿っているのに枝葉が萎れていて元気が無い
茎に皺(シワ)が出ている
・葉が黄色くなって落ちる
・土がカビ臭い、もしくは腐敗臭がする

こんな感じです。

根腐れを起こしていると根が本来の機能を失っているため
水や肥料成分を吸い上げることができません。
よって、土が湿っている(水分がある)にもかかわらず
水を吸い上げられずに枝葉が萎れると言った症状になります。

茎にシワが出ているのも根腐れによって
水分の吸い上げが上手くいっていない証拠です。

根腐れで水を吸い上げられないのに枝葉が茂っていると、
蒸散によって植物体の水分はどんどん失われてしまいます。
そのため、植物は葉を落とし蒸散量を少しでも減らそうとします。
葉が黄色くなって落ちるのは植物の意志です。

先ほども書きましたが、根腐れの原因は
用土内が酸素不足(=嫌気状態)になっていること。

酸素が少ない嫌気状態を好む微生物が増殖し
有機物(壊死した根の細胞や堆肥など)を腐敗させて
腐敗臭を発するようになります。

カビ臭かったり、ドブ臭かったりした場合は
土が嫌気状態になっていると判断できます。

根腐れの見分け方

根腐れと症状が似ているのが水枯れと根焼けです。

水枯れ(水涸れ)と根腐れの見分け方は簡単。
土が乾いていて植物がぐったりしているのなら水枯れです。
すぐに水をたっぷりと与えて下さい。
根腐れの場合は土が湿っていても植物がぐったりしているはずです。

根焼けは主に即効性の肥料を与え過ぎた場合に起こります。
水溶性の肥料成分の濃度が高過ぎて
浸透圧の関係で植物が水を吸えなくなっている状態です。
根焼けが起きるということは肥料を与え過ぎていると言うことですから、

…よく思い出して下さい。

肥料をやり過ぎたかな?と思ったら、
置き肥であれば取り除き、液肥であればたっぷりと水を与えて
用土内の肥料濃度を薄めて様子を見ます。

根腐れの治療・対処方法

「根腐れしてしまった…もうダメだ。」
と嘆く前に、できるだけのことはしてみましょう。

まずは土を全て落とし、根腐れした部分を取り除く!

根腐れの原因は用土内の酸素不足です。
それによって壊死した細胞を嫌気性微生物がエサにして増殖することで
根腐れの症状が進行していきます。

よって、まずは原因となる土を全て落とします。
その際に黒く壊死した(根腐れした)部分は
消毒したハサミなどで取り除きます。

地上部はできるだけ切り詰める

根腐れを起こしている根はその機能をほとんど失っています。
枝葉が茂った状態では吸水と蒸散のバランスが崩れ
植物にとって大きな負担となります。

できるだけ地上部の枝葉を切り詰めて
根がほとんど水を吸えない状態でも
植物体の水分が保持できるようにしましょう。

有機質を含まない清潔な用土に植え付ける

根がダメージを受けている状態なので、
できるだけ有機質を含まない清潔な用土に植え付けます。
赤玉土単体がオススメです。

赤玉土は粒が潰れていなければ
通気性・排水性・保水性のバランスがとても良い用土なので
植え付けたらたっぷりと水やりをします。

繰り返しますが、
根腐れの原因は水やりのし過ぎではありませんよ。

半日陰の涼しい場所で養生する

植え替えが終わったら半日陰の涼しい場所で管理します。
直射日光の当たる場所では蒸散が強くなり過ぎたり
用土内の乾湿・温度の変化が大きくなり過ぎたり
弱っている根にとってはやや過酷なので
しばらくは半日陰で養生させましょう。

そもそも根腐れを起こさないためには?

通気性・水はけの良い用土に植え付けることがとても重要です。
長々と書きましたが、結論はそれに尽きます。

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