ゼオライトは保肥力と保水性を向上させる土壌改良資材です。
保肥力を示すCEC(陽イオン交換容量)は130~170meq/100gで
一般的な土壌のCECは12~14meq/100gであることを考えると
非常に大きな保肥力を持っていることが分かります。
しかも、ゼオライトは優先的にアンモニア(NH₄)を吸着するため
植物の生育に必要不可欠な窒素(N)の肥効を安定させる効果があります。
ゼオライトのイオン交換優先順位
ゼオライトのイオン交換は以下の優先順位に従って行われます。
Cs > Rb > K > NH4 > Ba > Sr > Na > Ca > Fe > Al > Mg > Li
Csはセシウム、Rbはルビジウム、Kはカリウム、NH₄はアンモニア、
Baはバリウム、Srはストロンチウム、Naはナトリウム、Caはカルシウム、
Feは鉄、Alはアルミニウム、Mgはマグネシウム、Liはリチウムです。
これらのイオンの中で植物が必要とするものをピックアップすると
K > NH4 > Ca > Fe > Mg
こんな感じ。
カリウムとアンモニア(アンモニア態窒素)が優先的に吸着されます。
カリウム(K)は植物の浸透圧調整にかかわる栄養素で、
窒素(N)はタンパク質や核酸の構成元素です。
これらは安定して効いている状態であることが重要。
ゼオライトによっていったん吸着され、少しずつ土壌に放出されていくため
過不足が起きづらくなります。
用土の10%程度を目安にゼオライトを投入することで
土壌の保肥力はかなり安定してきます。
特に砂地でCECに乏しい土壌の保肥力・保水性の改善には
大きな効果を期待できますよ。
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