米ぬかは精米所やお米屋さんで簡単に手に入れることができる有機資材です。
では、米ぬかをそのまま土に混ぜると肥料になるのでしょうか?
米ぬかは栄養たっぷり!…しかしそのまま土に混ぜると?
米ぬかの肥料成分を調べてみました。
・リン酸( P )…4~6%
・カリウム( K )…1~2%
・カルシウム( Ca )…0.5%
・マグネシウム( Mg )…1~2%
・その他微量要素(ミネラル)
米ぬかはリン酸やミネラルが豊富で窒素もある程度含まれています。
栄養はたっぷり!ですね。
肥料成分の数字だけを見るとそのままでも肥料として使えそうですが、
生の米ぬかを土に混ぜるのは…ちょっとストップ!
生の米ぬかのデメリット①発酵熱
米ぬかは易分解性有機物である糖質(デンプン)や
たんぱく質が豊富に含まれています。
生の米ぬかをそのまま土に混ぜると、
易分解性有機物をエサとして土壌微生物が爆発的に殖えます。
土壌微生物が呼吸をすることによって発酵熱が生じます。
土壌微生物が爆発的に殖えると言うことは
生じる発酵熱も大きくなると言うこと。
米ぬかを使って堆肥作りをしたことがある方はご存じだと思いますが、
一次発酵で60℃~70℃くらいまで上昇します。
もしそれが地中で起きたとしたら…?
発酵熱によって根はダメージを受けることになりますね。
生の米ぬかのデメリット②ガス害
生の米ぬかを土に混ぜ込むと土壌微生物が
爆発的に殖えることは先ほど書きました。
発酵熱も問題なのですが、
米ぬかが分解されたことで生じるガス(アンモニアガス等)も
植物の根にダメージを与えます。
生の米ぬかのデメリット③窒素飢餓
これも発酵熱やガス害と同様に
生の米ぬかを土に混ぜると土壌微生物が
爆発的に殖えることによって引き起こされます。
米ぬかの炭素率(C/N比)は20前後なので
極端に炭素が多いわけでは無いのですが、
易分解性有機物が多いために急激な微生物の増殖が起き、
結果的に土壌中の窒素が取り込まれてしまいます。
生の米ぬかは土に混ぜずに表面にうっすら撒く
どうしても生の米ぬかを使いたい場合には、
土に混ぜ込まずに表面にうっすら撒く程度にしておきます。
その程度であれば発酵熱やガス害、窒素飢餓などの
悪影響が出ることはほとんどありません。
米ぬかがあるなら「ぼかし肥料」にチャレンジしよう!
せっかく生の米ぬかが手に入ったのなら、
極上の肥料を作るチャンスです。
ぜひ米ぬかボカシ肥料作りにチャレンジしてみて下さい。
米ぬかボカシ肥料の作り方(嫌気性発酵)
米ぬかボカシ肥料の作り方をご紹介します。
今回ご紹介するのは嫌気性発酵と言って
酸素が無い状態で発酵させて作るぼかし肥料です。
嫌気性発酵米ぬかぼかし肥料の材料
・米ぬか…全体量の約2/3
・油粕やカニガラ、燻炭、苦土石灰など…全体量の約1/3
・庭土や畑の土…一握り
米ぬかが多ければ他の資材はお好きなものでOK。
窒素を効かせたければ油粕や魚粕などを加えます。
リン酸を効かせたければ骨粉を(でも米ぬかもリン酸たっぷりです)。
カリウムを効かせたければ草木灰などを。
米ぬかはカルシウムがやや少ないので、
苦土石灰などを加えるのも良いですね。
土壌微生物の力を借りるために、
庭土や畑の土を一握り加えます。
それらの資材を混ぜ合わせたら、計量します。
全体の重さの10%の水を加え、均一に混ぜ合わせます。
嫌気性発酵をさせるので、空気が入らないように
厚手のビニール袋などにギュッと押し込めて袋を密閉します。
後は雨の当たらない場所に保管して
夏場なら1ヶ月程度、冬場なら2~3ヶ月ほどで
ぼかし肥料ができあがります。
ボカシ肥料が成功していれば、
袋を空けた時に甘酸っぱい匂いがします。
失敗していたら腐敗臭がして、
ボカシ肥料がベチャベチャになっているはず。
(空気が入って不完全な好気発酵になっている)
出来上がったボカシ肥料はなるべく早く使い切りましょうね。
米ぬかは上手く付き合えば最高の有機資材!
米ぬかは使い方を間違うと植物にとって悪影響が出てしまいますが、
うまく付き合えば最高の有機資材となります。
ぜひガーデニングに、家庭菜園に取り入れてみて下さい。
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