硝酸態窒素は土壌に吸着されない。

硝酸態窒素は土壌に吸着されない 硝酸態窒素

硝酸態窒素は土壌に吸着されない

今日は全国的に雨模様のようですね。

雨が続くと問題になるのが肥料成分の流亡です。
特に硝酸態窒素は雨によって流亡しやすい肥料成分です。

今回はその理由を説明します。

土壌はマイナスの電荷を帯びている

土壌は基本的にマイナスの電荷を帯びているため、
プラスの電荷を帯びている肥料成分を吸着・保持することができます。

プラスの電荷を帯びている肥料成分を挙げてみると…

・アンモニウムイオン(NH₄⁺)
・カルシウムイオン(Ca²⁺)
・カリウムイオン(K⁺)
・マグネシウムイオン(Mg²⁺)

こんな感じ。
これらの肥料成分は土壌コロイドに吸着・保持され、
植物の根から分泌される有機酸(根酸)などによって遊離し、植物に吸収されます。

硝酸態窒素はマイナスの電荷を帯びている

一方、硝酸態窒素は土壌内では水に溶けた
硝酸イオン(NO₃⁻)の状態で存在しています。

硝酸イオンは化学式からも分かるように
マイナスの電荷を帯びているため土壌によって吸着・保持されません。
したがって今日のような雨が続くと簡単に流亡してしまうわけです。

また、雨が続いているということは
植物は光合成不足に陥っています。
光合成不足だと硝酸態窒素が吸収されてもアミノ酸やたんぱく質への
合成がうまく進まず植物体内に硝酸態窒素が蓄積され
病害虫に侵されやすくなります。

つまり、天候不順時の硝酸態窒素の施肥は

・雨による流亡で無駄になる
・光合成不足でうまく植物に利用されない

これらの理由により控えた方が良い、と言うことになります。

ただ、硝酸態窒素は植物が最も好んで吸収する窒素形態なので、
もし施用するのであれば雨上がりで今後数日間は晴れが予想される日の
早朝にピンポイントで効かせれば効率良く植物が吸収・利用できます。

肥料の良し悪しではなく、使い方の問題ですね。

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