ゼオライトは保肥力と保水性を向上させる土壌改良資材です。
日本は世界的に見ても良質なゼオライトを産出する地域で、
おもに軟質のクリノプチロライト系ゼオライトと
硬質のモルデナイト系ゼオライトが
天然ゼオライトとして土壌改良に使用されています。
鉢植え用土を作るにあたって
軟質・硬質問わず様々なゼオライトを試しましたが、
どうやら島根県産の硬質ゼオライト(モルデナイト系ゼオライト)
がベストの選択になりそうです。
硬質ゼオライトは通気性・水はけが良い
GarDeco Japanが最も重要視しているのは用土の通気性・水はけ。
モルデナイト系ゼオライトは膨潤性が無いので水を含んでも
用土の物理性を悪化させることがありません。
軟質のクリノプチロライト系ゼオライトは保水性が高いのですが
コロイド状になりやすく配合する割合によっては
用土の通気性・水はけが極端に悪化してしまいます。
土に馴染みやすいという点では地植え向きの土壌改良剤なのかな、といった感じ。
・物理性を悪化させない
・硬質で長期間の使用に耐える
この2点からモルデナイト系ゼオライトの方が
鉢植え用土には向いていると考えています。
硬質ゼオライトの保肥力は一般的な土壌の約10倍
ゼオライトを鉢植え用土に配合する大きなメリットとして
保肥力の大きさが挙げられます。
島根県産硬質ゼオライト(モルデナイト)の保肥力を示すCEC(陽イオン交換容量)は
120~150meq/100gで、一般的な土壌( 12meq/100g )の約10倍です。
鉢植え用土に使われる赤玉土( 25~30meq/100g )と比較しても
ゼオライトの保肥力の大きさが分かりますね。
保肥力が大きくなると以下のようなメリットがあります。
・肥料の流亡を防ぐ
・肥料の効き過ぎを防ぐ
・pHが安定する
用土の良し悪しは用土そのものに肥料分が多く含まれているかでは無く、
与えた肥料をいかに植物が利用しやすくするか、だと思います。
保肥力を高める、と言うことは
植物が肥料を利用しやすくなるという意味でとても重要です。
ちなみに、ゼオライトは特にカリウムやアンモニア態窒素を優先的に吸着します。
カリウム(K)は植物の浸透圧調整にかかわる栄養素で、
窒素(N)はタンパク質や核酸の構成元素です。
これらは安定して効いている状態であることが重要。
ゼオライトによっていったん吸着され、少しずつ土壌に放出されていくため
過不足が起きづらくなります。
硬質ゼオライトその他の効果
硬質ゼオライトの効果としては他に以下のようなものもあります。
・土壌内の有害物質・ガスを吸着
・リン酸の肥効促進
・遠赤外線効果で凍結を防ぐ
これらの効果は製造元のカタログ等で紹介されていますが、
個人的に理解が深まっていないので
とりあえずは参考程度に。
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