ゼオライトは多孔質の天然鉱物で「沸石」とも呼ばれます。
トンネル状の微細な空洞が無数にあいていて、
表面積は1gあたり300㎡にも及びます。
ゼオライトはその多孔質構造によって吸着効果や
イオン交換作用を有していて土壌改良や水質浄化、調湿剤などとして利用されています。
では、ゼオライトは土壌改良の面でどのような効果があるのでしょうか?
ゼオライトの物理性改善効果
ゼオライトは土壌の物理性に対してどのような効果があるのでしょうか?
通気性、水はけ、保水性にどのような影響があるのかをまとめてみました。
通気性・水はけに効果は?
ゼオライトは多孔質構造のため、その微細な空洞に水や空気を含みます。
通気性・水はけにもある程度の改善効果は見込めますが、
どちらかと言うと保水性を向上させる効果が強いので
多く混和させ過ぎると逆に通気性・水はけの悪化を招く可能性があります。
なお、硬質ゼオライト(モルデナイト系ゼオライト)は
膨潤性がほとんど無いので物理性を悪化させづらいです。
軟質ゼオライト(クリノプチロライト系ゼオライト)は
膨潤性があり混和し過ぎると物理性を悪化させる恐れがあります。
保水性の向上に効果は?
ゼオライトは吸水性に優れているため、
土壌の保水性向上には非常に効果的です。
砂地土壌の物理性を改善したいのであれば、
ぜひ投入したい資材の一つですね。
ゼオライトの科学性改善効果
ゼオライトは土壌の科学性に対してどのような効果があるのでしょうか?
土壌pH(土壌酸度)、保肥力にどのような影響があるのかをまとめてみました。
ゼオライトのpHは?
ゼオライトのpHは5.5~7.5です。
ゼオライトは酸性土壌の中和にとても効果的です。
苦土石灰などよりもアルカリは弱いのですが、
土壌の塩基交換容量(CEC)を大きく向上させるため
土壌酸度を弱酸性~中性に近づけることができます。
保肥力向上に効果は?
ゼオライトの保肥力を示す数値であるCECは130~170meq/100gです。
これは一般的な土壌のCECが12meq/100gであることから
保肥力の向上にとても効果的であることが分かります。
あくまでも目安ですが、ゼオライトを1%土壌に混和させると
CECが0.8~1.2程度上昇します。
土壌に10%程度混ぜ込むことで
土壌の保肥力を大きく向上させることができる資材です。
ゼオライトの生物性改善効果
ゼオライトは微細気孔を無数に持つ多孔質体のため、
そこが土壌微生物の恰好の棲家になります。
ゼオライトの土壌改良効果まとめ
ゼオライトの物理性改善効果は通気性△、保水性は◎。
一方で科学性の改善効果は高く、pH調整や
保肥力の改善にはとても効果的な土壌改良資材。
ゼオライトは土壌の保肥力の改善させるためには
ぜひとも投入したい土壌改良資材です。
投入量の目安は10%~15%程度。
植物性堆肥などと併用することで
土壌の保肥力をググッとアップさせることができます。
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