見落としがちだけどバラの生育に最も大切な4つの要素とは?

見落としがちだけとバラの生育に最も大切な4つの要素とは? バラの育て方

バラの生育に最も大切な要素って何だと思いますか?

肥料…?、薬剤散布…?、それとも有用微生物?

いいえ、違います。

あまりにも当たり前過ぎて意識している方は少ないかもしれませんが、
ある4つの要素を満たしていないと
いくら良い肥料を使っても、しっかりと薬剤散布をしていても
バラの生育は衰えて最悪の場合…枯れてしまいます。

それほど重要な4つの要素とは何なのか、まとめてみました。

バラの生育に最も重要なのは光・水・空気・温度の4つ!

バラの生育に最も重要なのは光・水・空気・温度の4つです。

…ね、当たり前でしょ?

でも、意外におろそかになっていることがあるんです。

つるバラが茂りすぎて近くの木立バラの日当たりが悪くなっていませんか?

梅雨だからと言って鉢植えの水やりをおろそかにしていませんか?

鉢植えバラが根詰まりなどで根が呼吸しづらくなっていませんか?

株間が近すぎて蒸れていませんか?

ちょっとしたことで光・水・空気・温度が
バラに適した条件から外れてしまうことがあります。

それぞれの要素についてもう少し詳しく書いてみましょう。

バラの生育に最も大切な要素①光

バラは日当たりを好む植物です。
枝葉を茂らせ花を咲かせるには大きなエネルギーを必要とします。

バラをはじめ植物は光合成をすることによって
太陽光のエネルギーを取り込んで化学エネルギーに変換し、
水と二酸化炭素を材料にして糖(デンプン)を作り出しています。
※副産物として酸素を排出しています。

光合成産物は植物体の代謝や生長などのエネルギー源として利用されます。

つまり、太陽光が不十分な環境下では
バラは代謝や生長に必要なエネルギーを得られないため生育不良に陥り、
最悪の場合は枯れてしまいます。

どれくらい日が当たれば良いか?

2~3時間の日照時間があれば生育することは十分可能です。
しかし、花付きが悪くなるなどの影響が出るので
できれば生育期に4時間以上の日照時間が見込める場所で育てるのがおすすめです。

バラの生育に最も大切な要素②水

バラの80%~90%が水でできています。
水は主に根から吸収され、道管を通って植物体の隅々まで行き渡っています。
バラの葉や茎がピンッとしているのは水が細胞の隅々まで行き渡っている証拠。
水分が不足するとクタ~っと萎れてしまいます。
もちろん、最悪の場合は…枯死します。

水は光合成の材料

先ほども書きましたが、バラをはじめとする植物は光合成で
太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換して
水と二酸化炭素を材料にして糖(デンプン)を作り出しています。
作り出された糖(デンプン)を貯蔵組織や生長点に運ぶ役割も水が担っています。

蒸散で体温調節

植物は根から吸い上げた水を葉裏の気孔を開くことによって蒸散させています。
その際の気化熱によって植物体の体温調節をしています。
水が不足していると植物は気孔を閉じてしまうので
体温調節がうまくできなくなります。

水に溶けた肥料成分を吸い上げている

植物は主に水に溶けた肥料成分を根から吸収しています。
水が不足していると植物は肥料を吸い上げることができなくなります。

水はたっぷりと与えるのが基本!

バラは水が大好きです。
水はたっぷりと与えるのが基本です。水切れ厳禁!
しかし、水をやり過ぎて生育不良に陥る場合もあります。
それは次の「空気」に関係があります。

バラの生育に最も大切な要素③空気

植物には「空気」が必要です。当たり前ですが(汗)。
先ほども書きましたが空気に含まれる二酸化炭素は光合成の材料です。
光合成にばかり目が行きがちですが、もう一つ大事なことが。

植物も呼吸をしている

とは言っても、人間と同じように肺呼吸をしているわけではありません(汗)。
内呼吸といって細胞内のミトコンドリアで行われている酸素呼吸のことです。
植物は葉裏の気孔や細胞間隙から空気を取り込んでいて
空気に含まれる二酸化炭素は光合成の材料として、
酸素は呼吸の材料として利用されています。

植物細胞は呼吸をすることによって光合成産物(糖)を燃焼させ
代謝や生長のためのエネルギーを得ています。

葉や茎などの地上部は空気がたっぷりあるので全く問題ありませんが、
気を付けなければいけないのが地下部、つまり根です。

根の細胞は水に溶けた酸素(溶存酸素)や
土壌のすき間の酸素を利用して呼吸をしています。

しかし、保水性の高い土で水やりの回数が多過ぎると
常に根が水に浸かっている状態になります。

その状態が長く続くと根の細胞は酸素不足に陥り
代謝や生長のためのエネルギーを獲得できなくなります。
※溶存酸素はそれほど多く含まれていないのですぐに
根の呼吸や土壌微生物の呼吸によって消費されてしまいます。

呼吸ができなくなった根の細胞は最終的には死んでしまいます。
これが「根腐れ」です。

一般的な水やりの方法として言われているのが
「土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをする」と言うもの。
植物が水を吸い上げてある程度土が乾けば
そのすき間に空気が入り込んでくるので根の細胞も呼吸することができます。
しかし、乾き過ぎもまた植物にとっては良くないので
タイミングを見計らって水やりをする必要があります。

初心者にはそれが難しく、
「水やり三年」と言われる所以です。

水はけ・通気性の良い土に植え付けよう!

根腐れをさせないためには
水はけ・通気性の良い土に植え付けるのが一番良い方法です。

水やりの回数が多くてもスッと水が抜けてくれれば
根の細胞が酸素不足に陥ることがありません。

水やりのタイミングに苦慮しているのであれば
植え付け用土を見直すのが手っ取り早いですよ。

バラの生育に最も大切な要素④温度

植物には生育適温というものがあります。
バラの生育適温は昼間の温度で20℃~25℃、
夜間の温度で15℃~18℃です。

意外に適温の範囲が狭いな…という気がしませんか?

現在は6月ですが
すでに最高気温27~28℃、
最低気温でも20℃くらいはあるので
生育適温からは外れてきています。

バラは自身である程度体温調節している

バラは葉裏の気孔を使って排熱をしたり
水蒸気を放出することで気化熱を利用して周囲の温度を下げています。

ある程度であれば自身で体温調節をしている、ということです。

バラの生育適温に近づけるためにできることは?

バラの生育適温に近づけるためには
風通しの良い環境で育てることが重要です。

鉢植えなら間隔を空けて置く
地植えなら株間を空けて植え付ける

また、鉢植えは地面に直接置かず
スノコなどを敷いてその上に乗せるなどの工夫も良いですね。

夏場の水やりには注意!

ホースを使って水やりをしている方は多いと思いますが、
夏場の水やりには注意が必要です。

太陽熱で熱せられたホース内の水は50℃~60℃にもなります。
人間でも火傷(ヤケド)を負う可能性があります。

庭で母親がホースの水を赤ちゃんにかけた。振り返ったとき、赤ちゃんは全身水ぶくれになっていた!
恐ろしい過ち!

実際に乳幼児にホースで水浴びをさせて
ヤケドを負わせてしまったケースもあるようですね…。

もちろん、これだけ高温の水で水やりをすれば
バラの根もダメージを受けます。

水やりをする際にはしばらく水を出し続けて
冷たくなったのを確認してからにしましょう。

光・水・空気・温度を今一度見直してバラに快適な環境を!

いかがでしたか?

植物を育てるのに慣れてしまうと、意外に見落としがちな点が多いと思います。

・バラは日当たりの良い場所で育てる
・水はけの良い土に植え付け、水はたっぷりと与える
・風通しの良い場所で育てる

当たり前のようですが今一度見直してみてはいかがでしょうか?

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