用土が団粒構造をしていると植物が育ちやすくなる、
ということは多くの方がご存じだと思います。
団粒構造の土は通気性・水はけが良く
それでいながら保水性も高いという
一見すると相反する性質を持っています。
団粒構造の土は植物の根が伸びやすく
酸素や水分・養分を十分に供給できるため、
結果として植物の生育が良好になります。
では、どうすれば団粒構造の土を作ることができるのでしょうか?
団粒構造はどのようにできるのか?
土壌団粒はその大きさによって
0.25-0.063mm(ミクロ団粒)
2-0.25mm(マクロ団粒)に分類されます。
マクロ団粒
マクロ団粒の形成には植物の根や堆肥などの有機物、そして糸状菌が関与しています。
植物の根から分泌される多糖類(ムシゲル)や
有機物をエサにして増殖した糸状菌の分泌する多糖類が
土壌粒子を結合させてマクロ団粒を形成します。
ミクロ団粒
ミクロ団粒の形成には粘土鉱物と腐植、そして細菌が関与しています。
粘土鉱物に含まれるアルミニウムと堆肥などに含まれる腐植が結合して
「粘土腐植複合体」を形成。
その粒子を細菌が分泌する多糖類(粘着物質)が結合させてミクロ団粒を形成しています。
キーワードとなるのが「粘土鉱物」「腐植」「多糖類」です。
団粒構造を作るための材料
粘土鉱物
粘土鉱物はミクロ団粒を形成するのに必要なものです。
粘土鉱物に含まれるアルミニウムや鉄、カルシウムなどが
腐植と結合することで「粘土腐植複合体」となり
これがミクロ団粒の核となります。
粘土鉱物にはカオリナイト族やモンモリロナイト族、アロフェンといった種類がありますが、
植物を育てる上で最も有利なのはモンモリロナイト族の粘土鉱物です。
モンモリロナイトは保肥力・保水性に優れ、
世界三大肥沃土と言われるロシアのチェルノーゼム、米国のプレーリー土、
アルゼンチンのパンパ土に含まれています。
モンモリロナイトは珪酸塩白土(ソフトシリカ)や薬師として販売されています。
園芸用ソフトシリカ20kg
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モンモリロナイト パワー薬師 20kg
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腐植
腐植は有機物が土壌微生物によって分解・再合成された黒色の物質です。
粘土鉱物と結合することで「粘土腐植複合体」となり、ミクロ団粒の核となります。
腐植は堆肥などに含まれていますが、
畜糞系の堆肥(牛糞堆肥、豚糞堆肥など)より
植物性の堆肥(バーク堆肥など)の方が多くの腐植を含んでいるので、
団粒構造の形成を目的とする土壌改良の場合は植物性の堆肥を投入する方が良いでしょう。
多糖類
多糖類はおもに土壌微生物や植物の根などが分泌する粘着成分で、
土壌粒子を結合させることで団粒構造の形成に役立っています。
土壌微生物が増えることによって分泌される多糖類も増えますが、
多糖類を多く含む資材を投入することで土壌団粒化をスムーズに進めることができます。
おすすめなのが「海藻粉末」。
海藻にはアルギン酸などの多糖類(ネバネバ成分)が多く含まれているので
土壌団粒化の促進にはとても効果的です。
また、海藻粉末自体が微生物のエサとなるため、
土壌微生物を活性化させる効果も期待できます。
海藻ミール 20kg
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海藻のエキス 100g 葉面散布用
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アルギンゴールドエキス 100g 葉面散布・灌水用
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団粒構造の作り方
団粒構造を作るためのおすすめの方法をご紹介します。
・バーク堆肥
・モンモリロナイト粘土鉱物
・海藻粉末
・もみがら燻炭
元の用土を100%として、
・バーク堆肥…20~30%
・モンモリロナイト粘土鉱物…5~10%
・海藻粉末…1~2%
・もみがら燻炭…5~10%
を加え、よく混ぜ合わせます。
元の用土の土質によって各材料の割合は加減します。
例えば元々が粘土質土壌の場合はバーク堆肥・もみ殻燻炭の割合を多めにして
モンモリロナイト粘土鉱物の割合を減らす。
砂質土壌の場合はモンモリロナイト粘土鉱物の割合を増やす、など。
短期的には海藻粉末に含まれる多糖類でマクロ団粒を形成し、
中・長期的にはモンモリロナイトと腐植が結合してできる「粘土腐植複合体」を核とした
ミクロ団粒が形成されて安定した団粒構造の土になっていきます。
もっと簡単な団粒構造の作り方が…!
ここまではいわゆる一般的な土壌改良の方法のご紹介でしたが
“もっと簡単な”団粒構造の作り方が…あります(続く)。


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