腐植は土壌改良に欠かせない要素です。
では、腐植とはいったい何なのでしょう?
腐植とは、動植物の遺体が微生物の分解を経て
生成された暗色不定形の高分子化合物です。
ちょっと分かりづらいですね(汗)。
完熟たい肥をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
牛糞や馬糞、もしくは樹皮や剪定枝などを堆積・発酵させて
黒くサラサラとした状態になったものが完熟たい肥です。
そこに多く含まれているのが腐植です。
腐植の効果とは?
では、腐植にどのような効果があるのかというと…
・土壌の粘土鉱物と結合して団粒構造を作る
・保水性や保肥力を高める
・土壌酸度(pH)を安定させる
・土壌微生物を活性化させ植物に栄養を与える
上記のような効果が見込めます。
植物を育てる上で腐植が効果的だと言うことが分かります。
一般的には腐植の含有率が5%程度あれば肥沃な土壌だと言われます。
腐植の含有率を増やすために効果的な資材とは?
腐植はおおまかに
「植物に栄養を与え土壌微生物を活性化させる栄養系腐植」と
「分解されづらく団粒構造の形成や保水性・保肥力を向上させる耐久性腐植」
とに分けられます。
栄養系腐植は牛糞などの動物性堆肥に多く含まれ、
耐久性腐植はバーク堆肥などの植物性堆肥に多く含まれます。
土壌改良を目的とするのであれば
耐久性腐植を多く含む植物性堆肥をメインに施すのが効果的です。
土壌の腐植含有率5%は一度の土壌改良ではなかなか達成しづらいです。
植物性堆肥を多めに施すことで3年程度をかけて土壌改良をしていきましょう。
その際にゼオライトや珪酸塩白土などの良質な粘土鉱物を一緒に施すとより効果的です。
(腐植と粘土鉱物が結合して、より安定して土壌にとどまることができます)
土壌の腐植含有率を高めるのに効果的な資材をご紹介します。
・バーク堆肥…植物性堆肥の代表格
バーク堆肥は樹皮や剪定枝などを堆積・発酵させた植物性堆肥です。
耐久性腐植のもととなるリグニンを多く含み安定した土壌改良効果が続きます。
施したバーク堆肥に含まれる腐植のうち、5~7割程度が翌年も土壌にとどまるので
継続して施用すれば土壌の腐植含有率を高めることができます。
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・腐植酸資材…堆肥のエッセンス
腐植酸資材は亜炭を酸化させてできた腐植酸を中和して製造した土壌改良資材です。
腐植酸含有率は50%で、畜糞系の堆肥(腐植酸含有率約2%)の約25倍。
堆肥のエッセンスとも言えます。
腐植酸は酸性なのでマグネシウムなどで中和されているので
塩基バランスには注意が必要ですが、大量に堆肥を投入するよりは効率的に
土壌の腐植含有率を高めることができます。
堆肥の補助資材としてはとても有効ですね。
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